第16回 行政書士公法研究会
『行政書士がかかわる農業支援』
〜近時改正された農地法を紐解く〜
2010年1月29日
行政書士 山賀 良彦
一、農業に関する現在の状況
0.農地法改正
→「日本行政2010年1月号」、「行政書士とうきょう2010年1月号」
→何が変わったのか?
1.農業ブームが来ている!
→「新たに農業をやってみたい!」という人が増えてきている。
(1)雑誌、本、HPの紹介
→別冊宝島、得する農業、週刊ダイヤ、IJU、新規ガイド、ノギャル
(2)農業を行う方法として
@趣味的に市民農園などで(→パンフ)
A本格的に農業に携わりたい(→一、1.(1)、新・農業人フェアパンフ)。
B企業として取り組みたい。
→既存農家の法人化、異業種からの新規参入(→パンフ)
Cその他
→田舎暮らしをして農業をしてみたい(→「田舎暮らしの本」)。
(3)これらの基礎には、農地制度改革の流れ、特に、農業法規の基礎をなす農地法の改正も影響をあたえているといえる。
↓
農地制度については、今後、さらなる改革も予想されている。
↓
そこで、改正農地法とそれに関連する農地制度改革の流れをチェックして、
↓
‘農業ブーム’を行政書士業務に結び付けられないか?
(4)農地法改正に伴う新規業務について一例を挙げると、
@農地の相続について(→MAFF NEWS、パンフ、周南市hp)
A農業経営継承事業について(→パンフ)
二、行政書士業務と農業との関係
1.農地法の許可、届出の申請(3条、4条、5条)
→3条その他の申請書(群馬県太田市ホームページ)
http://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0200-001nougyou-iinkai/sinseisho.html
2.農業法人、農業生産法人の設立
3.種苗法について
4.市民農園開設サポートについて
5.新規就農サポートについて
三、農業を業務にするために考えるべきこと。
〜農業に携わる人をサポートするために〜
1.農業に携わるにはどのような方法があるのか?を知る。
→現在の農業ブームを踏まえて考える。
(1)貸し菜園、屋上農園
→屋上菜園貸し出し事業
http://www.iza.ne.jp/news/
newsarticle/business/other/266959/
→貸し菜園(週刊ダイヤp58)
(2)市民農園
@「特定農地貸付法」によるもの
ex.クラインガルテン方式=滞在型市民農園
A「農園利用方式」によるもの
B「市民農園整備促進法」によるもの
→はじめてみませんか?市民農園(パンフ)
市民農園を開設してみませんか?(茨城県農林水産部)
http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/nourin/
nokan/guide/q.a/kenshiminpanhu.pdf
(3)本格的な農業を行う(農地を使って農業をおこなう)。
@個人で、家族で
A会社組織など法人(農業法人、農業生産法人、農事組合法人)で
→三菱樹脂が農業参入検討 2〜3年後ハウス栽培で攻勢
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/
business/manufacturer/261274/
(4)田舎暮らしから農業へ
@自給自足的に
Aペンションなどの形式で(「田舎暮らしの本9月号」」
(5)その他
@(2)、(3)の組み合わせ、(3)、(4)の組み合わせ
A兼業、半農半]、週末農業、観光農園など、様々なパターンがある。
(6)農業法人に就職する。
2.農業を業務にするために、誰に対して、どのようなアプローチをするのか?が問題となる。
(1)考えるヒントとして
@既存の業務から→一、2.(1)〜(5)から考える。
A現在のブームから→二、1.(1)〜(5)から考える。
(2)今回は、農地を使って新規に就農する場合について考える。
↓
改正農地法をチェックして、‘新規就農サポート’を業務にする!
四、新規就農サポートを業務にするために
(新規就農を目指す人へどのようにアプローチをするのか?)
1.新規就農とは何か?(確認)ガイドブックp8-11
2.新規就農者が「新規で農業を始めるために考えるべきこと」から考える。
(1)大きな流れ(農業に就く、IJU No.15 2009秋号)
情報収集
体験・ビジョン
↓
技術の習得
資金(営農、生活)の確保△
農地の獲得◎→農地法改正が関わる。
機械・施設の確保
住宅の確保◎←農地転用=農地法改正が関わる。
↓
営農計画◎
↓
実際の農地の獲得手続◎
↓
就農
(2)業務になりうる箇所
◎部分は業務に直結する。
(3)近時、改正農地法が施行された(平成21年12月15日施行)。
→農地で、@農業をする場合、A住居として利用する場合
↓
改正農地法が問題となる。
(4)新規就農など農業に関することを業務にするためには、
→改正農地法の知識を取得することが必要。
↓
改正農地法を概観する。
→新規就農をサポートするために改正農地法でおさえておくべき知識の確認をする。
五、新規就農を実現させるためには?→農地の確保を考えよう!
1.本格的に農業を行いたいあなた!=農地を確保しよう!!
→農地を購入したり、借りたりするには農地法の定める要件が必要!?
→農地は勝手に使えない。
→農地を確保するのが新規就農者にとって大事(週刊ダイヤp46)
2.農地法についての前提知識
(1)農地法の許可等について
→都市p10-11
→農地を守る法律とは(長崎県) http://www.nnourin.jp/ah/sesaku/
nouseika/nouchinoushin/noutihou/noutihou.htm
→新規就農者が農地を確保する場合の問題(『失敗しない』p79-80)
3.購入するのか?借りるのか?
(1)借りるのが楽。
@通常は借りるのが一般的
理由:「週刊ダイヤ」p47-8、『失敗しない』p87-8
A『田舎暮らしの本 2009年6月号』p58
(2)農地を借りる方法が変わった(新しいパンフ、概要)
→借りられる人の要件が緩和された!
→会社が農業に参入しやすくなっている。
→農地を利用しやすくしている。
すごろく農地改革について→改正法の予定している制度
↓
改正農地法を詳しく見ていこう!
六、改正農地法のポイント
1.パンフレット「新しい農地制度がスタートしました。」(全国農業会議所)
(1)転用規制が厳しくなった制度!
(2)農地の貸借の促進・効率的な利用を図る制度!
@農地法による貸し借り
A農業経営基盤促進法による貸し借り
(3)その他の貸し借りがしやすくなった制度の紹介!
→農業生産法人、農業法人の規定の改正(ビジネスp99−101、手引p68)
2.パンフレット「農地制度ここが変わった概要版」(全国農業会議所)
平成21年12月p1、6〜12、13
(1)改正農地法の目的
(2)農地の確保
(3)農地の貸借、効率的利用の促進
(4)まとめ p13の図
(5)農業経営基盤促進法
七、改正農地法を踏まえて
1.どのようにアプローチをするのか?
@農地を借りるためのサポート
A農業に参入したい会社へのアドバイス
B農業法人設立のサポート
C農地制度改革に関連するサポート
D市民農園を開きたい人へのアドバイス
E田舎で暮らす」、「田舎で起業する」をサポートする。
2.どのようにアピールするのか?
農地に関する主要な法規一覧
農地法
(昭和二十七(1952)年七月十五日法律第二百二十九号)
最終改正:平成二一年六月二四日法律第五七号
農業経営基盤強化促進法
(昭和五十五(1980)年五月二十八日法律第六十五号)
最終改正:平成二一年六月二四日法律第五七号
農業振興地域の整備に関する法律
(昭和四十四(1969)年七月一日法律第五十八号)
最終改正:平成二一年六月二四日法律第五七号
土地改良法
(昭和二十四(1949)年六月六日法律第百九十五号)
最終改正:平成二一年六月二四日法律第五七号
特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律
(平成元年六月二十八日法律第五十八号)
最終改正:平成二一年六月二四日法律第五七号
市民農園整備促進法(平成二年六月二十二日法律第四十四号)
最終改正:平成二一年六月二四日法律第五七号
会社法
(平成十七年七月二十六日法律第八十六号)
最終改正:平成二一年七月一〇日法律第七四号
農業協同組合法
(昭和二十二年十一月十九日法律第百三十二号)
最終改正:平成二一年六月二四日法律第五九号
優良田園住宅の建設の促進に関する法律
(平成十年四月十七日法律第四十一号)
最終改正:平成一七年七月六日法律第八二号
農薬取締法
(昭和二十三年七月一日法律第八十二号)
最終改正:平成一九年三月三〇日法律第八号